音楽特化の越境ECとして知られるDiscogsで、レコードを売買する上で避けては通れないのが「グレーディング」。
これは、レコードの状態を国際的な共通基準で評価することにより、セラーとバイヤーの認識のズレを防ぐ、レコードを扱う上で大切なルールです。
そこで、この記事ではDiscogsのグレーディングの各基準について、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
グレーディングの大前提

個別の評価を見る前に、知っておくべき基本的な考え方があります。
正式名称はゴールドマイン・グレーディング
Discogsで採用されているグレーディングは、「ゴールドマイン・グレーディング」と呼ばれる国際的な評価基準です。
別名で「ゴールドマイン・スタンダード」と呼ばれるこの評価は、アメリカのCDやLPのコレクター向け雑誌「ゴールドマイン」が作った基準を用いた評価のことを指します。
盤とジャケットは別々に評価する
グレーディングは、レコード盤そのもの(Media)と、ジャケット(Sleeve)の2つを、それぞれ別々に評価する必要があります。
「盤は綺麗だけど、ジャケットは傷んでいる」といったケースはよくあります。
各グレードの具体的な状態
それでは、各グレードがどのような状態を指すのか、上から順番に見ていきましょう。
Mint (M)|ミント
「完璧な新品」の状態です。
工場から出荷されたまま、一度も再生されておらず、指紋ひとつないような状態を指します。
開封済みのレコードに、この評価を付けることはありません。
「新品未開封(シールド)」の場合のみ、使用を検討する最上級の評価です。
Near Mint (NM or M-)|ニアミント
「ほとんど新品同様」の状態です。
開封はされているものの、目に見える傷やスレが一切なく、再生してもノイズが入らない、コレクションとして申し分ない状態です。
多くの綺麗な中古レコードが目指せる、現実的な最高評価といえます。
Very Good Plus (VG+)|ベリーグッドプラス
「非常に良い状態」です。
盤面に軽いスレや薄いヘアライン(髪の毛のような傷)が見られるかもしれませんが、再生にほとんど影響しないレベルです。
ジャケットには、軽い角の折れやリングウェア(レコードの形が浮き出た跡)が見られる場合があります。
丁寧に扱われてきた中古レコードの多くが、このVG+に分類されます。
Very Good (VG)|ベリーグッド
「良い状態」ですが、ここからは明確な使用感が出てきます。
盤には、指でなぞると感触があるような傷があり、再生すると「チリチリ」「パチパチ」といったノイズが音楽に乗る場合はあるものの、曲を聴くうえで問題とまではいかない状態です。
ジャケットには、破れや書き込みが見られる場合もあります。
Good Plus (G+) / Good (G)|グッドプラス / グッド
名前に反して、状態は悪くはないものの良くもない、という状態です。
盤には深い傷があり、針飛びする可能性もあり、ノイズもかなり目立ちます。
「とりあえず聴ければ良い」というレベルの状態で、コレクションには向きません。
Fair (F) / Poor (P)|フェア / プア
「普通」「悪い」状態です。
盤は割れていたり、ひどく歪んでいたりして、まともに再生できない可能性が高いです。
よほど希少な盤でない限り、販売には適しません。
正確なグレーディングのための3つのコツ
トラブルを避けるため、評価をする際に意識したいポイントを3つ紹介します。
強い光の下で盤面を確認する
部屋の照明だけでは見えない細かな傷も、明るい光の下で盤を傾けながら見れば、はっきり確認できます。
正しい評価を付けるためにも、明るい環境でチェックしましょう。
実際に再生して確認する(プレイグレード)
見た目は綺麗でも、再生するとノイズが出る盤は少なくありません。
特に高価なレコードを売る場合は、実際に試聴(プレイグレード)し、ノイズの有無や針飛びがないかを確認しましょう。
迷ったら、一つ下の評価を付ける
「これはVG+かな?でもVGかもしれない……」と評価に迷ったときは、一つ下のグレードを選ぶのが賢明です。
購入者の期待を少し下回る厳しめの評価を付けておくと、バイヤーの期待値を下回る事態が減り、クレームの発生を抑えられます。
正直なグレーディングが、あなたの信頼を作る
今回は、Discogsのグレーディングについて、各基準と評価のコツを解説しました。
- グレーディングは、盤とジャケットを別々に、Discogsの公式基準に沿って評価する
- MからPまで段階があり、特に「VG+」と「VG」の境界線を理解することが重要
- 評価に迷ったら、一つ下のグレードを選ぶのがトラブル回避のコツ
正確なグレーディングを覚えるのは面倒かもしれませんが、セラーとして活動していく以上、避けては通れません。
グレーディングをきちんと覚えておいたほうが、信頼できるセラーとみなされやすくなるので、ここは頑張って覚えておきましょう。
「自分のグレーディングが正しいか不安」という人は、物販ステーション@じんこまのコンサルで相談してみてくださいね。
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