近頃、Chrono24をセラーとして運用したい、高級腕時計の仕入れに使用する、という人が増えてきました。
ただ、海外と取引を行うということもあり「関税や諸費用がかかりそう……」と感じてしまい、いまいち利用に踏み切れない人が多いのも事実。
たしかに、海外取引は国内の物販に比べて費用がかかるイメージを持たれますし、特に「関税」といわれると莫大な金額がかかるかも、と思っても仕方ありません。
そこで、この記事ではChrono24で海外から腕時計を購入、または海外へ販売する際の税金について、その計算方法と注意点についてわかりやすく解説します。
腕時計の輸入にかかる税金は「消費税」だけ

海外との物品の輸出入には、関税と消費税という2種類の税金が関係します。
Chrono24のメイン商材「腕時計」の場合はどうなるのかについて、基本を押さえておきましょう。
腕時計の関税は0円
実は、日本に腕時計を個人で輸入する場合、関税はかかりません。
これは法律で定められているため、どの国から輸入しても同じです。
支払う必要があるのは「輸入消費税」
関税はかかりませんが、日本の消費税(現在10%)は、「輸入消費税」として支払う必要があります。
これは、国内で商品を買うときに消費税を支払うのと同じで、日本国内で消費するものに関しては漏れなく課税対象となります。
取引をしている時点では海外での購入ということもあり消費税は発生しませんが、日本に到着した時点で受取人に支払い義務が生じます。
いくら払う?輸入消費税の計算方法
では、実際に支払う消費税はいくらになるのかについて、実際の計算式も踏まえて解説します。
課税対象価格を計算する
はじめに、消費税を計算するための元となる「課税対象価格」を算出します。
個人使用で輸入する場合は以下の計算式になります。
課税対象価格 =(商品代金 + 送料 + 保険料)× 60%
この場合、商品代金に送料なども含めた合計金額の6割(0.6)が計算のベースになる、というのがポイントです。
消費税額を計算する
次に、算出した課税対象価格に、日本の消費税率を掛け合わせます。
支払う消費税額 = 課税対象価格 × 10%
【例】50万円の腕時計を購入した場合
商品代金49万円、送料1万円の腕時計を購入したと仮定します。
まず課税対象価格は以下の通りです。
(490,000円 + 10,000円)× 60% = 300,000円
そして、支払う消費税額は、
300,000円 × 10% = 30,000円
以上となります。
税金はいつ、どうやって支払うの?
計算した税金は、商品が日本に到着した後に支払います。
一般的には、商品が自宅に届けられた際に、配達員(日本郵便やDHL、FedExなどのクーリエ便)に現金で直接支払います。
クレジットカードでの支払いはできないケースがほとんどなので、事前に現金を用意しておくとスムーズです。
セラー(出品者)が注意すべきこと
ここまでは購入者の視点でしたが、出品者としても税金の知識はトラブル回避のために必要不可欠。
そこで、Chrono24のセラーとして注意したい点について解説します。
「関税は購入者負担」と明記する
相手国でかかる関税をはじめとした税金の支払い義務は、基本的に購入者に課せられます。
取引後に余計なトラブルにならないよう、このことを商品説明文に英語で明記しておきましょう。
「Import duties, taxes, and charges are the buyer’s responsibility.」
(※輸入関税、税金、および諸費用は購入者の負担となります。)
といった一文を入れておくだけで、後から「話が違う」といわれるクレームを防げます。
インボイスには正しい価格を記入する
越境ECを運用していると購入者から「税金を安くしたいから、インボイス(税関告知書)の価格を安く書いて」と頼まれる場合があります。
しかし、絶対に引き受けてはいけません。
これはアンダーバリューと呼ばれる法律に触れる虚偽申告で、立派な脱税行為です。
発覚すれば購入者はもちろん、セラーも罰せられる可能性があります。
そうならないためにも、インボイスには正しい金額を記入し、アンダーバリューを持ちかけられても断固として断りましょう。
正しい知識で、安心してChrono24の取引を
今回は、Chrono24の取引における関税と消費税について解説しました。
- 腕時計の個人輸入に関税はかからないが消費税はかかる
- 消費税額は「(商品代金+送料)× 0.6 × 10%」で計算
- セラーは「税金は購入者負担」と明記し、インボイスを正しく書くことがトラブル防止の鍵
税金の仕組みは少し複雑かもしれませんが、理解してしまえば海外との取引もそれほど難しいものではありません。
正しい知識を身につけて、Chrono24での運用を行いましょう。
越境ECの運用方法について不安がある、効率の良いやり方を知りたいという人は、物販ステーション@じんこまのコンサルを活用してみてくださいね。
